舞蝶.・。*
「準備は大丈夫でしょうか?」
「はい」
あたしはお父さんと手を絡ませた。
―――ガチャ
曲と共に、ドアが開かれた。
みんなの拍手に包まれる。
あたしはお父さんとゆっくり歩いて行く。
「とっても綺麗…」
「本当。羨ましいわ…」
「幸せに…」
目の前にはあたしの愛しい人。
優しく微笑んでる…。
「泣かすんじゃないぞ?」
「当たり前です」
日向は優しく微笑んで手を差し出した。
あたしはその手をとる。
そしてゆっくりと上に上がる。
「 私。日向は莢さんを生涯妻とし、
幸せや喜びを共に分かち合い、
悲しみや苦しみは共に乗り越え、
永遠に愛することを誓います」
日向の声が、響き渡る。
「 私。莢は日向さんを生涯夫とし、
幸せや喜びを共に分かち合い、
悲しみや苦しみは共に乗り越え、
永遠に愛することを誓います」
誓いの言葉。
胸に刻む。
「では。誓いのキスを」
日向は綿帽子を上にあげ、あたしを優しい目で見つめた。
そしてあたし達は優しく、甘い、
誓いのキスを交わした。