舞蝶.・。*




金髪君はあたしにそう言った。


「…なんで?」

「なんで?って薬飲まねぇと…」

薬!? 嫌だ!
薬苦いのに!

口を閉めて思いっきり頭を横に振った。


金髪君は悪魔の笑みになった。


「俺が言った事、聞けないの?」

俺が言った事って。

薬は無理無理!

思いっきり頭を縦に振った。


金髪君はとっても甘い笑顔を見せた。

「口。開けてね?」

うっ…。

あたしは思わず開けてしまった。

気づいた時には遅かった。


「んんんっっ!!!!!!」

あたしは声にならない叫びをあげた。

金髪君はあたしを優しい笑顔で見た。


何だよ。その顔―――

卑怯だ!


金髪君はあたしを見て顔を赤くした。

「誘ってんの?」

……?
は?

「何に?」


金髪君は「そうだよな」と言って微笑んだ。




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