舞蝶.・。*
悠は、片手をポケットの中に突っ込んで手を動かしてる。
きっとメールしてるんだ。
悠がポケットから手を出した時、悠の後ろに200人程度の下っ端らしい人達が金属バットやパイプを持ってきた。
男はフッと笑って「悠ちゃん。手を出したらこの女どうなるか分かってんだろうな?」そう言い、ポケットから携帯ナイフを取り出してあたしの首元に近づける。
「ヤメロっ!! 何が目的だっ?!!」
悠は思いっきり叫んだ。
「全国2位の座だよ。
さぁ。この女か玖流をとるかどっちにする?
選ばなかったら、お前の後ろの奴らにボコボコにされるぞ?」
男は二ヤッと笑って、携帯ナイフをあたしの首にあてた。
悠は悔しそうな顔をしてる。
「悠、逃げて!! 早く!
あたしの事はどうだっていいからっ!!!
早く逃げてっ!」
あたしは思いっきり叫んだ。
でも悠は「選べない。どっちも大切だ」と言って動かなかった。
「悠っ!
あたしはどうなったっていいの!!」