王子の婿入り
「何しに来たのよ?」
顔も見ずに聞くと
「何って、可愛い娘の顔、見に来たんじゃない。相変わらず冷たいわね」
「あんた程じゃない」
「そんなんじゃ、男も寄りつかないわ」
「…用がないなら帰って」
煙草に火を着けた母は、一呼吸おいてから言葉を発した
「明日からここに、もう1人来るから。」
そう言って、バックから札束の入った封筒を取り出して、テーブルに投げた
まぁ、せいぜい頑張って
嫌みを言ってから席を立ち、煙草の煙と金を残して帰っていった