飽きられない条件
これで何回目だろう?
もうありすぎて数えてないや・・・
別に、飽きてもないし嫌いでもない。
かと言って、好きなわけでもない。
どっちにしても中途半端な気持ちで付き合った私が悪いんだけど・・・
今回みたいな別れ方が初めてじゃない。
いつも決まってこんな別れ方
私も気持ちがないわけじゃなくて、ただ・・・・・・
そんなことを考えながら家に向かって歩いてると向こうから茶髪の男の子がこの世の終わりみたいな顔で歩いてきた
多分、歳は私と同じくらいだろう
あれ、確実に病んでるよ・・・
隣を通り過ぎると爽やかな香水の匂いとすすり泣く声が聞こえた
可哀想・・・とか思いながら通り過ぎようと思ってたのに
「あのっ!」
何でだろう?気付いたらなぜか私はその彼に話し掛けていた
いやいやいや・・・私なにやってんの!?話かけちゃったよ・・・どーしよ
そう悩んでる間に茶髪の男の子が『・・・グスッ・・・なに?』と私の方に振り向いた
「あー・・・。もし良かったら・・・使います?」
鞄の中をあさって見つけ出したお気に入りのハンカチ
それを差し出すと・・・
『・・・あ、うん。ありがとう』
そう言って私からハンカチを受け取った
「どいたしまして・・・。」
彼は私から受け取ったハンカチを少し眺めて『これ、可愛いね・・・』と呟き、鼻をかんだ・・・
ん・・・・・・?鼻をかんだ?
「あぁーー!!」
しまった!!叫んでしまった!!
そんな私の焦りなんてよそに、彼は