桜の季節
あんな感じの空気には、たえられない。

早くのがれたくて、小走りした。



玄関について思い出した。

「あっ…遅刻……してたんだっけ…。」

つぶやいた瞬間、

「俺より先に行かせねぇよ。」

「な…!」

「ぼけてると俺に負けるぞ。」

「うるさいっ!負けないからっ!」

また笑って、私を馬鹿にする。

「抜かしてみろ。」

「言われなくても…!」


階段をバタバタ走る。







ガラガラガラッ!






2人で教室に入って、状況がすぐ読めた。

視線が痛い。

それに、しーんとしたこの空気。

すると、先生が口を開いた。

「お前ら2人…。遅刻してるというのに、騒いで登校とは……黙って廊下に立っとけっ!」

「はい…。」
「へ~い。」



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