桜の季節





ガタガタガタ。






教室からみんながイスをひいてる音がした。

それと同時に、閉められていたドアが開き、先生が教室から出てきた。

「君達、ちょっときなさい。」

そう言って、先生は歩きだした。

私達は、その後ろについていく。



職員室へ、連れて行くのかと思いきや、別の校舎に連れていかれた。








先生は、あるドアの前で、立ち止まる。



そのドアには、
“資料室”
と、書かれていた。





「今日の放課後、2人はここに残って書類の片付けをしなさい。」

「なんでだよ。」

直樹が口をひらく。

先生は続けた。

「先生もいろいろ大変なんだよ。ほら、先生おっさんだろ?年寄りだから片付けをする暇がなくてね。君達は若者じゃないか。ちゃんと放課後に残って、片付けするんだぞ!」

先生は、言いたい事だけ言って、どこかへ行ってしまった。

「あのくそじじぃ…。俺達の話も聞けよ…。」

独り言のように、直樹はつぶやく。

「とりあえず、この中見とく?」

「おう。」

私は、ドアを開いた。

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