桜の季節





「は……はなしてっ。」

直樹の胸をおしながら言った。



「茜…。」



困った顔をして、私の名を呼ぶ直樹。



なんでそんな顔をするの?



好きでもないのにやめてよ。






「帰るから……ばいばい…。」



私は、それだけ言って、立ち去った。










教室にもどる。



なんでなのかわからないけど、心にぽっかりと、穴があいた感じがした。






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