桜の季節
階段をのぼる。

2階に行くだけなのに、息切れしてしまう。

私、馬鹿じゃん…、そう思いながら、自分のクラスのドアの前で、深呼吸をした。



ガラガラガラ。



すると、急にドアが開いた。

「うわっ!」

その男子は、すごいびっくりしたような顔で言った。

そりゃびっくりするよね。

私は、びっくりしたけど、体がビクッと、なっただけで、声は出なかった。

私は、なんか恥ずかしくなって、下をむいたまま、教室に入っていった。

「あっ…。」

男子の横を通り過ぎた後、うしろから声がした。

私に、何かを言うつもりだったのだろうか。

でも、そんなのどうでもよかった。

話かけられたら、逆に気まずいし。

朝っぱらから最悪だ…、そう思った。

< 3 / 104 >

この作品をシェア

pagetop