桜の季節
やっぱり……………。
直樹だ………。
私は直樹の顔を、じっと見つめていた。
すると、直樹は、口を開いた。
「何…?俺の顔になんかついてんの?」
ほほ笑みながら、私に言った。
「ち、違うしっ!」
私は目をそらして、雨が降っている方を見た。
久しぶりに喋るから、少し緊張する。
「俺さ………なんか………つれぇよ…。」
私は、後ろを向かないまま、じっと雨の方をみる。
「なんで辛いの?」
雨の方を見ながら言った。
「お前の初めて笑った顔を……、あんな感じで見たくなかった…。」