桜の季節
「あっ…ご、ごめんなさい。」

うまく喋れない。

どうしてこんなに恥ずかしいのか、自分でもわからない。

逆に、どうして恥ずかしいのか、自分が知りたいぐらいだ。

「なんか、反応ウケるし!お前、気に入った!」

気に入った!って言われても困るんですけど、正直そう思った。

「てゆうか、さっきからお前の事、見てたんだけど…。正直、あの紙が見えないんだろ?」

その男子は、黒板の紙を、指さした。

「…なんで…?」

「普通に見ててわかるし。てゆうか名前見えないなら俺、見てこようか?」

私そんなに、わかりやすい行動してたかな?そう思った。

とりあえず、見てきてもらう事にした。

「大崎 茜(おおさき あかね)で、さがしてきて…くれる?」

「楽勝ー。こんなん朝飯前。」

ニコッと笑って、男子は、黒板の方へ行った。

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