桜の季節



家に帰る。

ドアを開けようとしたら、閉まっていた。



「お母さん居ないんだ…。」



私はつぶやきながら、バックから鍵を出して、自分の部屋に行った。















私は部屋に入ると、制服を脱いで、軽い格好に着替えた。






今まで気がつかなかった…。



雨ってこんなに静かに降るんだ。



窓の外でぽつぽつ降る雨。



私はその雨にずっと見とれていた。






















私は何分見とれていただろう。



ふと、我にかえる。






ブーッ、ブーッ、ブーッ、






ケータイのマナーモードの音だ。



脱ぎっぱなしにしていた制服から、ケータイを取り出して画面も見ずに、通話ボタンを押した。








「もしもし………。」



「………。」




返事がない。





「もしも~し?」









「茜……?今…授業じゃないの?もしかして茜もさぼりっ!?」











絵美の声だ。



< 51 / 104 >

この作品をシェア

pagetop