桜の季節
家に帰る。
ドアを開けようとしたら、閉まっていた。
「お母さん居ないんだ…。」
私はつぶやきながら、バックから鍵を出して、自分の部屋に行った。
私は部屋に入ると、制服を脱いで、軽い格好に着替えた。
今まで気がつかなかった…。
雨ってこんなに静かに降るんだ。
窓の外でぽつぽつ降る雨。
私はその雨にずっと見とれていた。
私は何分見とれていただろう。
ふと、我にかえる。
ブーッ、ブーッ、ブーッ、
ケータイのマナーモードの音だ。
脱ぎっぱなしにしていた制服から、ケータイを取り出して画面も見ずに、通話ボタンを押した。
「もしもし………。」
「………。」
返事がない。
「もしも~し?」
「茜……?今…授業じゃないの?もしかして茜もさぼりっ!?」
絵美の声だ。