桜の季節
世の中は狭い
ピーンポーン♪
「はーい!」
ドアを開ける。
「茜~!久しぶり~!」
元気な絵美。
私にも元気をわけて欲しいぐらい、あかるかった。
部屋に入れる。
2人でいろんな話をして、盛り上がった。
ふと、笑いがおさまって部屋が静かになった時、絵美は急に真剣な顔をして口を開いた。
「今日、何かあったでしょ?」
私はつい、絵美の目から目をそらした。
「な、なんで?」
「ある男の子がいました。その男の子には、大好きな女の子がいました。男の子は、今までいろんな恋をしてきたけど、初めて、その女の子を本気で好きになりました。……」
絵美は、まるで、絵本を読んでいるかのように、喋り出した。
「ある日、学校に行くと、まだ朝なのに、帰ろうとしている女の子がいました。声をかけると、急に泣き出して、どこかへ行ってしまい、男の子は、その女の子を追いかけました。男の子は、泣いている女の子を見て、自分を頼ってくれない悲しさと悔しさでつい、女の子を怒ってしまいました。」
私は、びっくりした。
これ…思いあたりがあるよ………。