桜の季節
「……っくしゅん…。」
雨が降っているのを忘れていた私。
「大丈夫か?とりあえず、入っていけよ。」
そう言って家に入る直樹。
「ちょ、ここって…。」
「ん?俺ん家。とりあえず来い。」
そう言って私の手を握り、部屋にいれてくれた。
男っぽい部屋だけど、なんだか散らかっているような気がした。
「とりあえず、これに着替えたら?」
そう言って直樹は、タンスからスウェットを出して、私に投げた。
「あっ、ありがと。」
「いいえ。てゆうかさ、なんだよその格好。これから寝ます、みたいな格好じゃん。」
そう言いながら、笑う直樹。
「いいじゃん。急いでたのっ!」
「……俺のために?」
「ば、ばかっ!」
私は、直樹から目をそらした。
すると、直樹は、私が向いている方に移動して、はなしかけてくる。
「てかさ、風邪ひいちゃうよ?着替えねぇの?」
私は、目を大きく見開く。
「ははっ。可愛い奴。」