桜の季節



「わかったなら、出てってよ。」



そう言うけど、直樹は、



「やーだね。ここ、俺の部屋だし。」



そう言いながら、リモコンでテレビを付けだした。



「じゃあ…そのままテレビ見ててよ?絶対後ろ向かないでねっ!」





私は、直樹の後ろで着替え始めた。










と、言っても、着替えるスペースが狭い事。

直樹の後ろに、ちょっとスペースがあって、壁がある。

その、ちょっとのスペースで、私は着替えているからだ。















「茜。」



そう言いながら、後ろを振り向く。





「キャッ!ちょっ…、向こうむいててってゆったでしょ!」



私は慌てて隠す。

下はスウェットに着替えたけど、上は下着だけだから、スウェットの上の服で隠した。





「お前、可愛いんだけど。ピンクの下着じゃん。」



そう言いながら立ち上がり、壁に手をつく直樹。



「ちょ、ちょ、ちょっと!……」





すると、口を塞がれた。

直樹のキスは優しくて、スウェットの上を落としてしまうんじゃないかと思った。




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