桜の季節
その男子は、5秒ぐらい紙を見つめて、すぐに帰ってきた。

「ベランダ側の1番うしろ。」

「あっ…ありがとう。」

私は、それだけ言うと、自分の席に向かった。



私の席は、よく日があたる。

席に座って数分しか、たってないのに、眠気に襲われそうになってくる。

やばい…寝るかも…、そう思った時だった。



ガタンッ!



私の席の前で、イスをひいたような音がした。

びっくりして、顔をあげると、今さっきの男子がいた。

「俺、この席だったし。よろしくー。」

嘘ついてるんじゃないの?そう思った。

「え…?本当は、嘘じゃないの?」

「嘘じゃねーから!そう思うなら松岡 直樹(まつおか なおき)で、さがしてみろよ。今なら、黒板にあんま人いねーし。」

勝ち誇ったような顔で、私に言ってくる。

ちぇっ、どうせ嘘に決まってる、そう思いながら黒板に向かった。

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