桜の季節
直樹は、壁についていた手を私の腰に回した。


肌の上からの直樹の手の温もりは、いつもより温かく感じたんだ。












「……ん…、ごめん。」


口をはなすといきなり謝ってきた。


「な、んで?」


「なんでも。てゆうか………早くスウェット着ろよ…。まじ襲いそうなんだけど?」


「直樹が見るからー…。」


「いいから早く着ろ。頑張って我慢するから。」


「…なんで我慢するの?」


「あっ、してほしい?」


そう言って、ふっ、と笑った。


「ばかっ!じゃ…着るから、あんまり見ないでね?特に下着っ!」


「わかったわかった。」





私は腕を先に通し、チラッと直樹を見て、服の顔を入れる部分に、顔を入れた。



私が服を着ると、直樹が口を開いた。


「お前の下着、ちょーかわいいじゃん。レースとかついてるし。」


にやにやしながら、私に話してきた。


「見ちゃだめでしょー!?」


「うるせぇ。俺の勝手だろ?」


「直樹のばーかっ。」


「そんな事言っていいんだ?俺、今さっき、かなり頑張ったんだけど?」


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