桜の季節
歩き回って小さな公園を見つけた。





日は落ちて、すこし暗い。





ケータイは、帰りのホームルームで、電源が切れたから使い物にならない。





公園のブランコで、
ギー、ギー、
と音をたてながら落ち込む。


















一粒の涙が頬を伝わりながら、ぽとっ、と地面に落ちる。





それを合図にするかのように、涙が溢れてきた。







静かな誰もいない公園だ。

誰かが公園を通るだけで、泣いている声が聞こえてしまう。







私は、できるだけ声を押し殺して泣く。













泣き止みたい。


でも、どんどん溢れる。


























「大丈夫……?」













誰かが話しかけてきた。





ほっといてよっ!
向こういってよっ!














そう言いたいけど、声を押し殺して泣いているので、精一杯だ。


















「そんなに、ためこむなよ…。」





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