桜の季節



学校の玄関。



見るのは、久しぶり。






私は、靴から上履きに、はき変えた時だった。






「よっ!おはよ。」



直樹の声じゃないけど、懐かしい声。



振り向くと、
啓也くんがいた。






「久しぶりだね!おはよ!」



「直樹と来てねぇのか?」

靴をしまいながら言う。



「あっ、うん。直樹に逢うのも、ちょっと久しぶりなんだ!…啓也くん…感じ、変わったね……?」


私は、不思議そうに言った。


だって、焦げ茶色だった髪が、茶色になってたもん。


それに1学期の時は、制服の着こなしを、ちょっと崩すぐらいだったけど、2学期になって、かなり崩していた。



「そうか…?ははっ。てゆうか、なんで疑問形なんだよっ!」



笑う啓也くん。




だって本当に、すごい違いだよっ!?



誰だって、びっくりしちゃうよ。







笑いながら階段をのぼる。



啓也くんってば、私を笑わせるんだ。





そういう、ちょっといじわるな所が、直樹に似てるんだよね。




はぁ……。
早く直樹に
逢いたいよ…。



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