君想い。
「愛理!おっはよー!」
「あっ夏帆!おはよ!」
元気な声が聞こえて
振り返った。
長谷川 夏帆
高校でできた初めての
友達。夏帆がいないと
憂鬱な学校は乗り越えられない。
160㎝と細長くて羨ましかったり・・・。
勉強は普通だけど、
運動が物凄くできる。
胸までのクルクルと巻いた茶色の髪に念入りに化粧をして、派手目の子。
まったく羨ましい・・・。
「何まじまじと見てるの?恥ずかしいじゃない」
クスッと笑った夏帆を
見て視線をそらした。
「べべべ別に見てない」
「嘘だぁ!見てたよ!」
夏帆がニヤっと
笑いながらこっちを
見てくる。
「見てないってばぁ!」
私はプイっとそっぽを
向いて走った。
「あっこら愛理!」
走りながらチラッと
後ろを見たら物凄い
スピードで、追いかけてきた。
・・・はやっ!
どんどん距離が縮まって
もうすぐ捕まるというところで、急に目の前が暗くなった。