夏恋―NATSUKOI―
佐藤くんからそんな言葉が出るとは思わなくて、気の抜けた声が出た。


「…ううん、たぶん違う」

「諦めた?」

「うん」


そうだよ。諦めた。

今、私が好きなのは…隣にいる彼なんだ。


海を見つめながら私は考えていた。

しばらく沈黙が続き、30分という短い休憩時間は終わりを告げた。



「よし、いこっか?」

立ち上がろうとした瞬間―


「キャッ…んっ…!!]

腕を引っ張られたかと思うと、彼にキスをされていた。

しかも…彼の舌が私を捕らえて離さない。


「んっ…や…あっ」

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