夏恋―NATSUKOI―
「嬉しかったよ?佐藤くんのキス」

「え?」


目をまっすぐ見て、口を開いた。




「佐藤くんが好きです」





そして、微笑んで私は歩き出した。

返事は知ってる。だから、あえて聞かない。


聞いたらまた、辛くなるだけ…

頬に冷たいものを感じた。



触ると濡れている…

涙だ...やっぱし、泣いた。


さすがにこれだけでも、辛いなぁ…

私は後ろを一切振り向かずに、海の家に足を踏み入れた。

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