私はこの宙を何よりも尊いものだと信じます。
卒業式…。俺は親父に、親友の慶と約束してた通り髪の毛をオールバックっぽくして行った。
多架は笑いながら俺にカッコいいよって言ったんだ(笑)
多架はいつも通り肩ぐらいまでの髪の毛のままで、
服は着たいって言ってたブレザーに青っぽいチェックのスカート。
多架と青ってのは意外な組み合わせだなと思った。
卒業式では特別泣く事がなかった。中学校もそのままのメンツがいるだけだから。
適当に終わって先生との別れ…。
結構仲良かったよな…宍戸先生。俺好きだったんだ。
「宗樹、中学生になったらちゃんと勉強しろよ。」
俺のばっちり決めた?頭をぐしゃぐしゃってする。
俺は下を向いて照れた。近くでは多架が笑っている。
卒業式が終わり、俺は多架と理彩に誘われてプリクラ撮りに行く事になった。
「じゃあ、またね~」
「おぅ。」
多架と約束して俺は急いで家に帰った。
1時間後…
「宗樹~!!」
多架が大きく手を振りこっちに向かってくる。
俺も手を振り返した。
「んじゃ、撮り行こうっ♪」
本当は、親がいないと行ってはいけないゲーセンは俺たちにとってはドキドキだった。
「早くしないと先生きそうだしな。」
たくさんの卒業生…。中には砂織達のグループも来ていて焦った。
でも、関係ないって顔をして立ち去っていった。
砂織がいたのに気づかない多架は笑顔で「早く~」って俺を呼んだ。
「待ってろー」
そう言って俺は足早に向かった。
初めてのプリクラ。しかも相手は彼女とその友達と…。
そんな嬉しい事はない。
しばらくしてたくさんの思い出が詰まった一枚のシールが出てきて。
多架は喜んでいた。
多架の笑顔を見る度に幸せになれる。大好きだよ…。世界で一番。
中学になって俺は多架とクラスこそ一緒にはなれなかったが、
学年集会で先生が話をしている時も、移動授業でクラスの前を通った時も、


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