私はこの宙を何よりも尊いものだと信じます。
「もぅ、いいよ多架!!玉こん買いに行こう…。」
唯が私をなだめる。
「そうだね…。」
唯には私と康介が付き合ってる事を言っていない。
今日言ってサプライズ見たいにしたかったの…
でも、こんな事になるんだったら来なきゃ良かったよ。
和樹は気まずそうにこちらを見ている。
玉こん買い終わってゆっくり歩いているとさっきの場所についた。
まだ隣のクラスの子と話していた。
でもこちらに気づいた和樹が私たちに言った。
「あ…多架、宏明と優太クンに迎えに行かせたんだけど会わなかった?」
「会ってないよ?」
「もぅ、時間になっちゃうし帰ろうか?」
「そうだね…。」
康介の方にチラリと目線をおくると俯いていた。
帰り道私の方を向いて「ごめん」って言ってくれた。
私はそれだけでゆるすことが出来た。
「ねぇ、多架あんたら付き合ってんの?」
私と康介は顔を向き合わせて笑った。
「お前言ってなかったの?」
「うん、今日言おうと思ってて…」
私はちょっと照れて答えた。
「教えてくれても良かったじゃん!!」
「ごめんね~唯っ」
「おめでとう!!」
「ありがとう」
唯の隣では和樹が笑っている。
私は康介と並んで、唯は和樹と並んで歩いていた。
唯は結構人見知りだから、初めての和樹と仲良くしてるのを見てビックリしたけど、
唯は男っ気がないから、良かったって思った。
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