私はこの宙を何よりも尊いものだと信じます。
「宗樹っ…」
私、まだ一緒に居たいよ。好きだよ…。大好きだよ…。
でも、私は宗樹のいる教室までいってピタっと足を止めた。
行ったところで宗樹が私を必要としようとしてなかったら…。
怖い…親友をなくした時の何倍も宗樹をなくすのが怖い…。
私は宗樹のクラスからまわれ右をして自分のクラスに帰って行った。
その日、私は何も考えられなかった。

***宗樹side***

電話をかける。相手は砂織。今日こそ、言わなくちゃ…。
俺は砂織の事好きじゃない。好きなのは多架なんだって…。
男の俺でも、砂織は怖い奴だと思う。
自分の彼女なのに、気を使ってるのがわかる。
その点、多架といる時は別だ。
面白い多架はいつも俺を楽しませてくれる。
それと、この前、砂織と俺と多架と陽太と純矢と凌と遊んでる時、
疲れたって俺の隣に座った多架は、静かだと思ったら俺の肩に頭を乗せ寝ていた。
身長が158㎝の俺と157㎝の多架は立つと身長があんまり変わんなくて、
どっちかというと多架の方が身長がでかく見える。まぁ、髪の毛の量が多いからな…
でも、俺に寄りかかって寝てる多架の顔は、幼く感じて…んと…可愛い…。
その後、砂織にこっぴどく怒られたが、そんなの関係無かった。
この時、すでに俺は多架の事が好きだったんだ。
プルルルル…プルルルル…プチッ…
「安堂と言いますが、砂織居ますか?」
「ちょっと、待っててね。」
砂織のお母さんがでた。
「あ、もしもし宗樹?どうかした?」
「あぁ…あのな…」
「うん。」
俺は、一度深呼吸をした。
「何?」
「俺、砂織のほかに好きな人が居るんだ。だから別れよう。」

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