私はこの宙を何よりも尊いものだと信じます。
「宗樹の好きな人って多架?」
「あぁ…そうだよ。」
「宗樹は多架のどこが好きなの?」
「多架はちゃんと俺の事笑わせてくれそうだから。ずっと、一緒に居てくれそうだから。」
「そっか…わかった。じゃあ、別れるよ。今までありがとう宗樹。」
「こちらこそありがとう。砂織にはもっとイイ人がいるよ。」
俺はそう言って受話器を置いた。
ちょっとして、皆に砂織と別れた事は広まっていった。
多架の耳にも届いただろうか…。どうか知っていて欲しい。
別れた事を聞いて喜んでいた奴もいた。
悠と舞華の2人だ。
「ねぇ、宗樹!宗樹がフったって本当?」
「あぁ、そうだよ。」
「他に好きな人でも出来たの??」
俺は自分でも顔が赤くなっていったのがわかった。
「ん。そぅ。」
「多架でしょ??」
舞華は笑って言った。ちなみに舞華は俺が砂織と付き合う前に好きだった。
元気だけど、友達思いなイイ奴だ。
「なんでわかんの?」
「えー、だって宗樹この前から多架の方みてばっかだもん。」
「そうか?」
自分では気づかないうちにストーカーみたいな事を…。
悠は笑顔で俺にこう言った。
「私たちで、チャンス作ってあげようか?」
「多架の事呼び出してあげるけど?」
続いて舞華が言った。
初めて俺から言う告白は、多架にあげたいと思った。
「まぁ、今は別れたばっかだから、もう少したってからな。」
「わかった。絶対に上手くやるからね!」

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