私はこの宙を何よりも尊いものだと信じます。

必死に自転車を漕ぐ。自分自身でも予想外だった。
足が軽い。
早く多架に会いたい。
その気持ちだけが俺を動かす。
やっと着いた学校。
俺は自転車を降りて引いて歩く。
視界に入ったのは、悠と舞華とそして多架の3人。
ココからじゃわかんないけど何かを話している。
「すんません、遅れた。」
俺は近づいてっていった。
「遅いぞっ、宗樹。」
悠はそう言いつつも笑顔だ。つられて俺も笑う。
「そうだ、宗樹こっち来て。多架は待っててね。」
悠が俺を連れて式台の裏の方に行った。
「ちゃんと、連れてきてあげたんだから、ちゃんと成功させなさいよ。」
「おぅ。あたり前！！」
「多架と宗樹お似合いだからっ！」
そうか？お似合いか…（笑）結構嬉しいかもしれない…。
「よーし、作戦実行だっ。舞華行こう。」
「了解ー！」
悠と舞華はそう言って多架に待ったをかけて校庭の方に歩いて行った。
「大丈夫。」
俺は心でつぶやいた。
深呼吸をする。
「あのさ、多架…。」
いきなり俺が名前呼んだからビックリしたのか肩が大きく動いた。
そしてこっちに振り向く。
「俺、お前の事好きなんだ。俺と付き合ってくんね？」
真っ赤に顔を染める多架。ちょっとキザっぽく言いすぎたかな…？
すぐに返事が返ってこない。
悠と舞華が来て多架と話している。ちょっとして悠が出てきた。
「宗樹！多架も宗樹の事好きだってー付き合うってよー！！」
悠はわざとらしく大きな声で言う。
隣でゆでたこみたいになってる多架…。
本当は多架の口から聞きたかったけど、しょうがない。
「よろしくな。」そっと手を差し伸べた。
「ん。こちらこそ…。」
いつもと違っておとなしいな。
「ぷっ…」
俺はちょっと笑いがこらえらんなくてふきだした。