\天然馬鹿王子/
あ-あ。
最悪だ。
朝から花粉と光紀のせいで
不機嫌MAXなアタシは普通に
避けられてた。
しかもサングラスにマスクだしね。
ありえないでしょ。
「ぶぇ〜くっしょい」
「っっくしゅんっ」
私の大きなくしゃみの後に
かわいらしいくしゃみ
(くしゃみなのか…??)
が聞こえた。
「ぇへへ。お互い大変ですね」
そこには小さい女の子がいた。
ブラウンの髪を2つにしばって鼻をぴんくに染めていた。
そして花柄のハンカチを口元に
あてながら
「私サキって言います。水野サキ。」
「アタシは松岡 詩帆」
「しほ…??」
「変わってるでしょ」
そこまでそうは思わないけど
確かにかぶったことはないかも…
「可愛〜い〜!!!!」
…へ??
「ね〜
し-ちゃんって呼んでいい??」
「え…可愛いとか初めて
言われた…」
「うっそ-!!!!
サキ赤ちゃんにつけたいぐらい
気に入っちゃったよ!!」
アタシはじめて自分の名前を
よかったって思えた。
サキとはすぐ意気投合して
体育館まで一緒に行く
ことにした☆