なみだ
「なんか‥、
もう、大丈夫みたいです。食堂‥、行きましょうか」


「えっ‥、本当に‥
もう、大丈夫?」


「はい。
もう、大丈夫です」


心配そうに訊く僕に、
彼女は笑って頷いた。


青白かった彼女の顔は、
だいぶ 血色が良くなっていた。


「‥分かった。
じゃー、行こうか」


笑って頷くと、
僕は彼女にそっと手を差し出した。


「えっ…?」


少し戸惑ったように、
彼女は僕の顔を見つめた。


「ゆっくりで いいよ」


そう笑う僕に、


「…はい」


と 小さく頷くと、
彼女は僕の手を取り、
ゆっくりとイスから立ち上がった。





そして、
僕たちは そのまま…

手を繋いだまま、

食堂の方へと
歩いて行った。
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