初恋の向こう側
関心して見入っていた俺の腹の虫が、急に鳴き声をあげた。
すぐに振り向いたヒロが眉間に皺を寄せる。
「何、今の?」
「ん? な、何かな~?」
惚けると、睨まれた。
「もしかして食べてないの? 朝ごはん」
「うん」
そういやシャワーから出た後、何もしないでヒロん家に来たんだった。
「じゃあ、あっちで座って待ってれば?」
とヒロが居間を指さす。
「え?」
「いいから黙って行く!」
「はい!」
従順な飼い犬状態。
……でも仕様がないよな。
例えヒロが何も言わなくたって、後ろめたさありありなんだから。