初恋の向こう側
 
「ピンクだっしぃ~♪」


窓際に頬杖をついてエロ視線を送るオサ。


「カーテンの色だけで妄想すんなよ?」

「ベビーフェイスなのに、こぉ~んな巨乳みたいな! ってどお?」


……勝手に言ってろ。


その時、オサの携帯が鳴った。

軽快に響くのは、最近流行りのアイドルグループの曲。

電話しながらバカ笑いしてるオサの隣で、俺は考えていた。

── あのカーテン、いつからついてんだ? って。

頭を傾げてると、必然的に頭に浮かんだ顔がある。

それは、三年前に引っ越しって行った俺の幼なじみ。

それは、顔は悪くないのに口の悪い女の子。

スポーツ万能で男勝りな、勝ち気で生意気な女の子……。


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