初恋の向こう側
* * *
暴れ騒ぐ目覚まし時計の音。
そこへ混じる「ウザすぎ!!」 って叫び声。
重い瞼をこじ開けると、ドアの前に落ちている枕が映った。
……いつもの朝の到来だ。
気だるい上半身を起こし、ぼーっとしてる頭を押さえながらカーテンを引く。
「………」
とそこで、俺の動きが止まった。
この三年間、誰も立つことのなかった向かいの窓辺に見つけた人影。
誰 ──?
肩よりちょっと長めの髪、体はわりと細身。
こっちに背を向けているが女だ。しかもかなり若い、たぶん……。
そして次の瞬間、目を疑うような光景が飛び込んできたんだ。