初恋の向こう側
 
その隣人は着ているTシャツに手をかけ、そして勢いよく、脱いだ。


「マジで !?」


思わず声が出た。

だって、後ろを向いているとはいえ見えるんだから。

そう確かに見えてしまっているんだ。

後ろ姿とはいっても、斜め40度程の傾き加減のおかげではっきりと。

上腕のすぐ隣に存在している、白くて丸くてマシュマロみたいに柔らかそうな ” それ “ が揺れていた。

つまり、ノーブラ ──

ゴクリっと喉もとから漏れた生々しい音が、部屋の中に響いた。

こんな場面では生唾ってもんがマジで出るんだな……。

なんて、くだらないことに関心しながらも俺の目は、目の前の光景に釘付けになっていた。


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