初恋の向こう側


次の日、バイト帰りにベンチに座ってバスを待っていた。

バス停に着くといつもは五分もしないで入ってくるバスが、今日はなかなか来ない。

時刻表を確認するため立ち上がり携帯を見ると……画面が真っ暗。

さっきまでのオサとの長電話のせいで電池切れしたらしい。

時間がわかんないんじゃ時刻表を見たって仕方ない。

ベンチに戻ろうと踵を返そうとした俺に誰かが声をかけた。


「少し前に出たばかりなので、次のは後四分で来ますよ」


不意の言葉に立ち止まり横を見ると、俺を見上げてる女の子 ── って、めっちゃ小っちゃいんだけど。

ギリで150あるか?
いや、無いかも……多分そのくらいだと思う。

幼く見えるが、城浜学園(しろはまがくえん)の制服を着てるってことは俺と同じ高校生みたいだ。

城浜は、うちの学校の割と近くにある私学の女子高だ。


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