初恋の向こう側

ピンポーン!


ドア越しに、中で鳴ったインターフォンの音を聞いていた。


……応答がない。

って、一体何してんだよ !?


もう一度ボタンに指を置いた一瞬後、ガチャリとドアが音を立てた。


「あっ 梓真」

「おう。これ……」


驚いた表情のヒロに持っていたカゴを差し出そうとして、俺は思わず手を止めた。

ドアに手をかけたままのヒロの後ろから、例のイケメン野郎が顔を覗かせたからだ。

俺よりもちょっとだけ背が高い。

必然的に目が合った。


「こんにちは」

「あ……ど、どうも」


白い歯を見せてニッコリと笑いかけられた。

なんつー爽やかさだよ?


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