初恋の向こう側
その時の俺は、すっげぇアホ面をしていたと思う。
そのNo.1の数メートル左側、携帯を弄ってるストレートヘアの女に見覚えがあった。
ってか大ありだ。
それはまさしく……ヒロ、だった。
その日の授業は、まったくと言っていい程耳に入らなかった。
当然だ。頭に浮かぶのは、すぐに答えの出ない疑問ばかり。
なんでヒロがいる?
どうしてだ?
いつ帰ってきたんだ?
そんな脳裏に突如、浮上した言葉がある。
それは、今朝母さんが言ってた
『まだ顔あわせてないの?』の一言。