初恋の向こう側

そして中森さんは制服姿の彼女に気づくなり

「しっしっ、しぃー城浜学園っ!!!」

と仰け反った。


その様子を目の当たりにした俺等は当然固まってしまい。


変な沈黙の後で彼女が

「あの……わたし、失礼します。
さっきはすみませんでした!」

と慌ててこちらに背を向けて、そのまま足早に店を出て行った。


あの娘、結局何しに来たんだろ?

首を傾げていると、店の入り口を見つめたまま中森さんが言った。


「佐伯君、今の女子は知り合いかい?」

「え?
あー、知り合いっていうか、友達の知り合いですね?」

「ふーん、そうなんだ。

こんな近くで見たのは初めてだよ。城浜のJK!」


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