初恋の向こう側

はい、そのまさかです。
まったくもって聞いてません……。

っつーか何だそれ? 意味わかんねー。

話を聞くと、留学といっても夏休みいっぱいの短期留学らしいんだけど。それにしても……。

なんで俺が知らない?
どうして俺に言ってくんない?

母さんと真央まで知ってんのに何で俺だけ?

?マークでいっぱいになった頭ん中が違う感情で満ちてくる。

いくら最近話さなくなってたからって、そんな重要なこと言ってくんないなんて、あんまりじゃね?

水臭すぎるってヒロ ──


あ゙ー、なんだかイライラしてきた。

今すぐにヒロに会って一言物申したい気分。

っていうか、それだけじゃおさまんねー。

夏休みいっぱいなんて待ってらんない。
そんな会えないなんて我慢できないよ──


その場に立ち上がった俺は、二人に向かって尋ねた。


「ヒロの乗る飛行機って何時だって?」


< 288 / 380 >

この作品をシェア

pagetop