初恋の向こう側

「本人に確かめてみるつもりはないの?」

「だって……こわいもん」


今から付き合って例え高校へ行ってからも続いたとしても、こんな時期の恋愛はそう長く続かないだろう。

真央には酷だけど、そう思った。

だって遠距離なんて大人だって難しいんだから。


「そっか」

「いなくなることがわかってて付き合うこともつらいけど、今は転校しちゃうことをどうして言ってくれないのかってことがわかんなくてつらいよ」


泣きそうな顔の真央。


「それはさ、その相手もつらいんじゃね?」

「え?」

「直接お前に伝えちゃって、それを前提で始めることが」

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