初恋の向こう側

そんなこんなで車に乗って一時間ちょっと──なんて時間はあっという間に過ぎ、目的地に到着。

宿の手続きをし荷物を置いて、マリンスポーツへ繰り出すため湖に向かったが、そのテンションの高さについていけない俺だけ山の方へ向かって歩いている。

……という今に至る。


駐車場を抜け小さな林道を歩いていくと、バンガローやキャビン等のログハウスが見えてくる。

その中の一軒が今日の宿。

愛莉から預かってきたキーを出し、鍵を開けて中へ入った。

それほど広くはないがキッチンにシャワールーム、トイレも完備で、ソファセットがあるリビングとベッドルームにロフトまでついている。

あの二つのベッドは女子が使うとして──ってことは、やっぱり男チームはロフトで寝るんだろうけど。

オサはいいとして、あの大学生と同じとこで寝ることになんとなく気まずさがあったりする。

愛莉もおまけにオサまですっかり打ち解けちゃって、車ん中でも結構話してたけど、俺だけ奴とはまだ一言も口をきいてないんだよな。

やたらと不自然な感じでさ。

< 308 / 380 >

この作品をシェア

pagetop