初恋の向こう側
心の傷
6月に入った。
いつもの下校時間はとっくに過ぎてるというのに、まだ教室に監禁されてる可哀想な俺。
教壇の上では、クラス委員の眼鏡君が熱弁をふるい、その隣で副委員の眼鏡ちゃんがしきりに頷いてる。
テストも終わり、もうじき球技大会なるものがあるらしい。
帰りのホームルームで出場種目や係について話あったのだが、そういうのが時間内に決まらないのはよくあることだ。
でもだからって放課後にやるか?
まったく、ダル過ぎだよ……。
『じゃ、ボクは大事な部活があるんで!』とさっさと逃亡したオサ。
あの野郎、ざまぁ みろって顔してやがった。
ふん。覚えとけよ!
帰宅部の俺と違い、オサはそれなりに忙しそうだ。
俺だって一年前までは、サッカーボール追いかけて青春してたんだけどね……。