初恋の向こう側
「そうだオサ、クリスマスってどうすんの?」
話題を変えることにした。
あまり胸ん中を曇らせるような話は続けたくないから。
「クリスマスって……それ訊いちゃう?」
と何故かエロい笑顔を向けるオサ。
さっきのしみじみモードから一変。でもよ変わりすぎだって。
「…別に訊きたくもないけど」
「そんなこと言わないで訊いてくれよぉ~」
すがるような目つきに返してやった。
「ヤダって言ったって、どうせ勝手に喋りだすんだろ?」
そしたらオサはニヤつきながら話し出した。
「オレ、クリスマスイヴにキメようと思ってんだ!」
「キメる?」
「そ。愛莉といい加減いくとこまでいっちゃおうと思って」
更にニマニマとするオサ。
言葉の意味を探るより、その怪しさ満点の表情で言った意味を理解した。