初恋の向こう側
隣人




「お母さーん、お兄ちゃん起きなーい!」



階段の下で叫ぶ真央の声がする。



「あ゙ぁーっ ウッセッ !!」



枕で顔を覆ってしまおうと思い、頭の周りを探るが…………ない。

つい今しがた、俺を起こしに来た妹に向かって投げたことを思いだす。

勢いよくドアにヒットした枕は、スーッと音を立てて床に落下。

同時にドアの外で真央の「ウザッ」って声がした。


妹 → 中1、俺 → 高1。

二人とも多感で、時に反抗的な年頃なのである。


……そして朝は、やはり眠い。

 
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