初恋の向こう側
と、オモシロ要素いっぱいの俺のバイト先だけど、一番の楽しみは別の所にある。
中森さんともう一人、大学生のバイトがいるんだ。
「佐伯くん、おつかれさま」
なんて汚れのない笑顔で現れたのは、
矢吹 哉子(やぶき・かなこ)さん、19歳。
短大の2年生だ。
もうすぐ午後の3時。
本日の勤務終了の時間だが、いつものように定時では帰らない。
哉子さんとのおしゃべりを楽しむ、俺のアフターワーク。
「哉子さんって、髪染めたことないでしょ?」
「どうしてわかるの?」
「んー。なんとなく、かな?」
という俺の返事にふふっと笑う。