初恋の向こう側
店を出たのは、午後6時を過ぎた頃だった。
じりじりと照り返すアスファルトの熱を受けながら、行き交う通行人の冷めた視線を感じずにはいられなかった。
。
酔っぱらうには時間が早すぎるし、隣を歩いてる男はどう見ても未成年だし、注目されて当然なこの状況。
「哉子さん?」
「ん……」
「家に帰れます?」
「だれのおうちー?」
ダメだ、こりゃ。
「家、どっちですか?」
「あっちぃ~♪」
後ろに人差し指を向け、へらへらと笑う彼女。
おいおい。絶対大丈夫じゃないだろ、これ。