初恋の向こう側
哉子さんの小ぶりな胸に触れた時、そこに顔を埋めた時、
そして、最後に果てた時 ──
俺は思いだしていた。思い浮かべていたんだ。
それはヒロの体だった。
よりによって、なんでそんな想像をしてしまったのか自分でも不可解だけど。
でも確かに、哉子さんを通して見ていたんだ。
あの日見た豊かな胸の膨らみや、細身のデニムを模る丸みを帯びた尻、それから白い太腿を ──
……最低だな。
人生初の経験は、なんとなく後味の悪いものになった。