溺愛女神様―青空の瞳―

いくらか歩き易くなった足で城の外に出るとさっきまで沢山あった人の影はなかった

カナンに聞いたところ、市民は街に戻って祭典の準備をしているらしい


街は城より少し離れたところにあり、街の名前は『エルデーナ』


「レイ、行くぞ」

「エド?」

エド―――なんだかんだで結局そう呼ぶことにしたのだが……

振り向いた先にある――いや、いるものに思わず思考が止まってしまった

「これ…なに?」

「見ての通り、馬車だが?」


“それがどうしたんだ?”と言わんばかりの表情を向けるエドガー

挙げ句の果てに“変な奴だな”と笑った



そっちがどうしたァァ!?ただの女子高生の私から言えばあなた方のほうが変なんですけど!――――とレイは心の中で叫んだ……というより突っ込んだ


「それで行くんですか………?」

「当たり前だろ?」


当たり前――やはり、この世界はデンジャラスすぎる、などと思ったのは秘密だ





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