溺愛女神様―青空の瞳―
馬車を動かすのはアイルで、車内の中にはエドガーとレイとカナン、ヤトが乗っている
因みにレイの隣はエドガー、正面にはカナン、斜め前にはヤト君
静かな空間に若干緊張するのだった
「レイは馬車が苦手なのか?」
隣にいるエドガーが心配そうな表情で問うてくるが
実際、乗ったのはこれが初めてなのだからレイには苦手とかよく分からない
「今年の祭典はいつも異常に盛り上がりますね」
カナンはレイを見て微笑む
そして、ヤトも声を弾ませて話にのる
「今や伝説でしか伝わらない女神様が今年は現れましたからね!!」
「水を差すようで悪いんですけど、私は女神…なんて大層なものじゃないですよ?」
片手を上げて女神ではないと言い張る彼女にエドガーは呆れたような視線を向ける
「まだそのようなことを言っているのか……」
「だって!―――」
“だって、私はただの女子高生だもん!”
と続く言葉はエドガーによって遮られた
「お前以外にはいない。そんな綺麗な瞳は」
エドの言葉は一言で言うと恥ずかしい―――レイは熱が集まる頬に触れて思った
「着いたようだな」
馬車に揺られること数十分で街にやって来た
祭典ともあり道には人々が溢れているため、この先を馬車で通るのは危険だ
そのため全員馬車から降りることにした