溺愛女神様―青空の瞳―

はじめての力


一方、レイが店にいる頃エドガーたちはというと―――

国民たちからやっと解放されたエドガーはヤトと一緒にレイを探し回っていた

目を離した隙に何処かへ消えてしまったレイ―――この国…いや、世界について無知と言っていいだろう彼女がたった一人で居て安全とは言い難い

同様にアイルとカナンも別の場所を捜索しているが見つけたという報告は受けていない


「何処に行ったんだ…?」

「こっちにも居ないみたいですね」

焦りを見せるエドガーとヤト――いろいろと捜し回ってみたものの、見つかる気配はない

普通、あの容姿ならすぐに見つかるだろうが、今はフード付きのコートを身につけているため街行く人に聞いても誰も知る者はいなかった



「無事ならいいんだが」

苦渋の表情を浮かべるエドガーは周りを見渡した

「この国の人間は大丈夫だと思いますが、女神の特別な力を利用しようとする悪人もいます。更に、この祭典には他国の者も紛れていますし………心配ですね」

たとえ、この国の者でなくとも女神の伝説は今や世界中に拡がっている―――つまり誰もが女神の力を知っているということ

もちろん、レイはそんな特別な力云々などということは知らないが………



ヤトはいつになく真剣な口調で話す

それに同調するようにエドガーは一つ頷いた


「ヤト、俺はあっちを見てくる。お前はそっちを―――」

「何言ってんですか!オレは護衛で来てっ―――!?」


ヤトの言い分も聞かずエドガーは走って行ってしまった




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