溺愛女神様―青空の瞳―
エドガーが、ある店の前に立ち止まったときだった
「おい、知ってるか?さっき、あっちでいざこざがあったらしいんだが…なんでも、ヨルんとこの嬢ちゃんが怪我したらしい」
「ああ!それでその怪我を治しちまったんだろ?」
街の男たちの驚きに満ちた話し声がエドガーの耳に入った
その内容にエドガーは目を見開き、焦る心を落ち着けて男たちに声をかけた
「ちょっといいか?その話、詳しく聞かせてくれ」
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「一旦、ギルドに戻るぞ」
「ギルド?」
初めて聞く名前にレイは首を傾げた
「さっきまでいた店だ」
そう言われ合点がいった
あの店の名前はギルドと言うのか――――
「戻るのは構わないけど……」
どうして?――と疑問が顔に出ていたのか、ヨルが答えてくれた
「周りを見てみろ。今はそのコートのおかげでバレていないが、お前が女神だということがわかれば街は大騒ぎだ」
周りを見渡すだけで沢山の人間が視界に入る
その人間全てが騒ぎ出したところを想像するとゾッとする
「戻ったほうがいいね」
レイはそう呟きフードをより深く被った